グラマンの爆弾は墓石でジャンプ!

   その不発爆弾は、どろどろの黄色い中身を吐き出し、畑に寝ていた。二、三人で運べるほどの大きさだった。艦載機のグラマンが投下したのだった。こういう推察が村人によって出来上がった。
  「爆弾は、どこを狙ったが見当がつかない。ただ墓石にあたってジャンプし、2階屋を通り越して裏の畑に落っこっただんべ」
  はねた墓石は知らない。中学生は、その後を知らない。憲兵が来て引き取って行ったとか。ただ不発弾でなかったら、墓石に落ちたと言うのが、もし本当なら、墓地に隣接した中学生の家は吹っ飛んでいたに違いない。ナムアミダブツ。
  調布市国領町の1トン爆弾はでっかい。長さ180センチ、直径約60センチ。グラマンは爆弾1個?を抱えてやってきて村人の田植えを遅らせたが、B29は、この1トン爆弾を何個抱えてきたのか。現場半径500メートル以内を無人とさせたと言うが、60年もむかしの、あのどろどろは本当に不発弾だったのか、なぜ爆弾の腹が破れたのか。どうでもいいが、気になる昔話である。