高度な知識を持った地球人がいた

1886年生まれと言う詩人ジョン・ホイーロックの詩を詩人のアーサー・ビナード氏が日経夕刊の「プロムナード」で紹介している。
    「まず、地球そのものが自然に自爆することはないので…」
    と火星人の天文学者は空を見上げ、淡々と語り出した。
    「したがって先般の大爆破は、高度な知識を持った生命体が
    そこに存在していた証拠といえよう」
 戦争か何かで地球は崩壊したらしい。高度な知識を持った人類が自爆したらしい。火星から地球人を描いた「地球」と言う詩だそうだ。
 宇宙のかなたにいるエイリアンがわざわざ地球にやってくるというファンタジーにはついてゆけない。もうひとつ信じられないのは国際宇宙ステーションだと、アーサー・ビナード氏は言う。1兆円規模のステーションも10年で耐久年数が来てゴミと化す。スペースシャトルに乗らなくても、無重力体験をしなくても人間は想像力で「宇宙の観点に達することができる」と。
 詩の力である。火星には天文学者がいて、地球の異変を眺めていた。
 その火星に、アメリカの探査機が着陸した。