形而上学という奇妙なコトバ

  もともと「哲学」に縁はない。理解する能力に欠けていると思っている。それでも1970年代に出た岩波講座「哲学」全18巻がそろっている。退職したら読もうと思ったのである、そんな余裕も時間もなく、あわれである。
  新潮社の「波」に木田元氏が「反哲学入門」を連載された。とっくに単行本になっているが、2006年の「波」を読み継いでいる。第6回に形而上学が出てきた。易経にある言葉を訳語にしたらしい。明治初期の学者たちの仕業である。
  自然を超えた事がらに関する学(=超自然学)という意味で定着して、近代のヨーロッパ諸語にも受け継がれることになった、という。

前の記事

患者は切ないものである