喜寿がどんどん増えるばかり


   毎年9月の例会には、「慶老会」という敬老の精神にのっとた昼食会をする。90名の老人クラブで、敬老でもあるまいと思われそうだが、喜寿を祝い、金婚式を迎えた人たちを祝福する。
 ことしは喜寿9名、金婚式が4夫婦である。金婚式はともかく、喜寿は増えるばかりである。みんな元気そうで、おめでたいが、日本の縮図の典型だろう。
 同じ町会に住む手品と腹話術のセミプロさんが来てくれて大いに盛り上がった。そのセミプロさんも老人クラブの「資格」はあるが、例会開催日の第2土曜に用事があって参加できないと言う。まだ還暦をちょっと越えたばかりか。
 新聞の歌壇の投稿に、「平積みの古典文学全集に囲まれながら知命迎へる」というのがあった。知命とは50歳か。還暦にあと10年、冗談じゃあねえよ、何を迷うのか、どんどん読んだらいいじゃあねえか。古典文学全集ってなんだよ。日本文学か、それともギリシャの喜悲劇か。
 知命50歳の短歌としてはよくないね。万葉集が泣きますよ。