妖怪に囲まれ、幽霊もスーっと


  主役は妖怪である。幽霊は、この際端役である。もう一つの脇役は絵巻物、ここではお姫様が病気?になり野に捨てられる。それが白骨化する様が描かれる。もう一つは地獄絵図、責め苦にあう人たちを、哀れにも克明に描き上げる。
 柏市名戸ヶ谷の法林寺、巨大なイチョウの脇をとおり、本堂は2階である。燦然かつ荘厳な須弥壇には不動明王がはったとにらみつける。これらのコレクションは、近所の弥惣治寄贈されたものだという。
 額に収まった妖怪を見上げる。その数60、臆することなくみおろす。しょせんは人の知恵の産物だろうが、そのバラエティに感心する。幽霊にしても立ち姿、座り姿と多様である。これも人の作り物かと観念して眺めれば懐かしい。
 外に出れば灼熱の、お盆の昼下がり。すべては雲散霧消した。我ここに在り。

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好いたが因果、好かれたも