好いたが因果、好かれたも
藤間流藤盛会の関東支部舞踊公演を見学。7月6日の国立劇場小劇場である。近隣でボランティアの舞踊教室を開いている藤間数衛さんが出演、清元「お祭り」を踊られた。
柏市の中央図書館に行き、『清元名曲選』を借り出し、「申酉(さるとり)」を読んだ。山王日枝神社の祭礼を当て込んだ夏狂言、その中の一つが「お祭り」。ただし、驚いたことにこの本は活字本ではなく筆記体の達者な文字が躍っていた。読解するのも難しい。
踊りは、いなせな頭ではなく、芸者姿の数衛先生。花道に登場、駒げたの音の軽快に舞台に向かわれる。夢の世界のような気がした。話は柏中央図書館に戻る。後日、辞典類のある2階で調べ物をしていたら、『日本舞踊名典事典』に出くわした。郡司正勝・柴崎四郎編、昭和58年、小学館の発行である。
ここに清元「お祭り」の解説と全文?が掲載されていた。
好いたが因果、好かれたも心に二つはないわいな
などと楽しく読めた。図書館員が不親切と言うことはないだろう。利用者が慣れていないのである。
文政9年(1826)初演だそうである。げに、この事典は労作である。