[④]出雲 鏡の池の占い
八重垣神社の裏には大神川が流れ、宮橋を渡ると御神幸所に出る。鏡の池がある。夫婦杉などにさえぎられて暗い。水面が神秘な色をしている。ここに神札授与所で買った紙片を浮かべ硬貨をのせる。
縁結び占の池である。イナダヒメが美容調整された池で、ヒメの霊魂が浸透していて縁結びに効果を発揮するという。もちろん若い男女の縁結びの占いであるが、ご老人にも家内安全、悪病退除の御神徳があると、巫女さんが言っていた。
紙片にのせた硬貨が早く沈むと良縁だそうだ。10円、50円、100円、500円、重い500円が良いはずである。されど懐中に10円硬貨しかない場合はどうするか。余計なことを考えながら若い人たちの占いぶりを眺めてきた。幸多かれ。イナダヒメがおっしゃるだろう。
さらに奥の院に続き、佐久佐女の森があると言う。大垣、中垣、万垣、西垣、万定垣、北垣、袖垣、秘弥垣という八重垣が山や田の中に残っているそうだ。