フリーマーケットの中の漢詩
地区の文化祭の一つにフリーマーケットがある。花やかな乳幼児の衣服に混じって、「草書前赤壁賦」と言う縦長の書物が顔を覗かせていた。「店主」によれば、書道家の父親の蔵書だと言う。草書の書き方本である。
宋の大詩人・蘇東坡の「前赤壁賦」の全文が草書体で書かれている教科書なのだろう。少し前後が収まらなかったが、こうなる。
惟江上之清風
与山間之明月
耳得之而為声
目遇之而成色
何だか、蘇東坡先生、「之」が多いですね。訳させてもらいます。もっともNHKラジオで石川忠久先生が1990年に講義されたテキストの丸写しである。
けれども、長江の上に吹く清い風と、山の間の明るい月だけは、、耳で聞いて風の音と聞き取り、目で見て月の色と見て取っても、禁ずる人はいないし、それらをつかっても無くなったりはしません。(そしてさらに続く)これこそ造物の神が与えてくださった尽きせぬ倉で、私とあなたといっしょに楽しむものです、と。
賦とは半詩半文だとメモがある。今夜は月が出るんだったかな。