初めて買った少年マンガ週刊誌
入院していたとき、ひと回り若い文化部長が見舞いに来て、マンガ週刊誌を山ほど持ってきた。
おそらく、小学館の「少年サンデー」、講談社の「少年マガジン」もあったのだろう。300-400万部を発行していた、この週刊誌はずーと絶頂期を続けていた時代だったのだろう。空前の発行部数の競争が続いていた。
しかし、ベッドに積まれたマンガ誌に病人は困惑した。マンガ世代とは違っていた。マンガを愛読するよりも敬遠する世代だった。文化部長は、マンガ・ブームを取材の対象とするのも仕事だったが、本人もその波に乗っていたようだ。
看護婦が来て、その山にキャーという。あげるといっても引き取らない。これも敬遠気味なのである。そうだよな、「少年」向きなのだ。
2誌が発行50周年を迎えた。早世した文化部長を偲び、サンデーとマガジンの厚きを買い求め抱いてきた。270円、260円。部数はガクンと落ちている、それでも文芸雑誌とはケタが違う。冬の時代という。文学は描写である。マンガには、それがない。だからすっ飛ばせて、ページをめくる。スピード感。マンガ家には気の毒な気がする。