優しそうな虎が来た


   伊勢原市の友人が、今年も干支を描いた色紙を送ってくれた。
  寅年である。千里を走るという虎であるが、甥の車で運ばれてきた。
  香川県の金比羅宮には、丸山応挙描く「遊虎図」の屏風絵があり、8頭の虎に出会える。その虎の顔が微妙に猫の顔に似ているという。本物の虎に、まだなじみのなかった時代のことである。その遊虎を見ようと検索したら、入場料を五百円から八百円にするという告示が目に付いた。パソコンではただであるが、顔のアップまで見られず、確認できない。それもやむを得ない。
  友人の描いてくれた虎は、横向きである。やさしそうな気配だ。描く人の心根(こころね)が出るのだろうか。不審な来客には、ひと声うなりそうである。我が家の玄関に鎮座して、向こう1年間を守ってくれるはずである。