林の中に88ヶ所霊場

林の中に、お大師遍路の四国霊場八十八ヶ所を模した小堂宇が軒を並べている。酒井根に八十八の石像を建て、簡単に遍路ができる薬師堂があるが、ここ沼南大井の福満寺では、お大師さんは堂宇の中におられ、新しい堂宇も建てられている。

沼南大井の福満寺

福満寺

毎年、5月の連休に、東葛印旛大師組合(送り大師)のお遍路さんが柏・白井・鎌ヶ谷・松戸に散在している88ヶ所の札所を歩く。この講が発足したのは文政五年(1822)だそうで、柏市と合併した沼南地区には、当時61ヶ所もあり、松戸にはなかったというから、沼南地域の人たちの信心が起点となり、広がっていったようである。

88の小堂宇が林の中で、息を潜めるように建ち並ぶのは、遍路できない人たちへの思いやりだったのだろうか。でも、起伏があり、全部をお参りするのもご苦労さま、と言いたいような気がする。

この天台宗福満寺は、新しくなった鐘楼が台地上の高台にあり、ぐっと下がって伽藍が広がる。聖徳太子堂、池に浮かぶ弁天堂、金毘羅堂などがある。

送り大師

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