女体のごとき灯篭美しき


雨雲が不機嫌な動きを見せていた6月24日、当地はすばらしい晴天となった。神のご加護がありました、と寄進者にお祝いの言葉を申し上げた。
 写真のような村の鎮守様に、一対の春日灯篭が寄進されたのである。
 灯篭は建設というのか、工事というのか、気にかかる言葉遣いだが、その工事の起承転結をじっくり観察する立場になった。寄進者が選挙のことで、途中から市役所に行き、留守になったのである。
 工事の進捗は、ベテラン二人の気のあった手作業で続けられた。クレーンの動きもうれしい。灯篭の基礎は1トンにもなるという。水平器を当て、確認されると、順々に6対を積み重ねていく。御影石の光沢が、女体のような姿を見せる。灯篭が女体に見えるのだ。錯覚ではない。
 奥に慶応年間に建てられた常夜灯がある。狛犬もある。灯篭もある。
 そこに美女の設置である。西日が差し込んでいるが、新しい灯篭にはかからない。

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鎮守様に美女