鎮守様に美女
逆井・冨士浅間神社に春日灯籠を寄進
村の鎮守様、逆井冨士浅間神社の奥まったところに、慶応年間に建てられた常夜灯がある。「村中安穏、家内安全、子孫長久」と彫られている。その常夜灯が見守る境内に、ボッティチェリの、春風を吹き付けられて誕生したヴィーナスのような春日灯籠が誕生した。
梅雨空が続いた6月終盤の一日、つくば市の石屋さんが来た頃には快晴、幸先よい灯籠設置が始まる。地固めをして、1トン近いという礎石がクレーンで下ろされる。
礎石には反花がふんわりと付けられている。これを水平器で厳重に測る。この上にゆるぎないヴィーナスの肢体がのる。石材用の接着剤は2剤あって混合する。これで石材はピタリ固定されるという。
すらりとした肢の部分の竿が乗る。蓮弁のある中台、その上に火袋、笠、宝珠と重ね完了だ。6個に彫られた御影石が一体化して、見事な春日灯籠となった。
火袋の火口が中心ではなく、格子窓が正面を向くのが当節風だそうだ。慶応の常夜灯さんは、いかに見そなわすか。
すぐに2体目の「納」の作業である。