撃ちてし止まん その心もて
柏市には国立がんセンター東病院がある。その9階には食堂があり、眺望すこぶるよいという。建築中のスカイタワーも見えるという。
そういうメールを呉れたのは、東病院入院を控えた友人で、覚悟のがん手術が決まっていて、打ってきたのである。撃ちてし止まん!という。そうだ、その覚悟だよ。
友人は海軍年少兵だった。海軍軍人である。戦争末期に設立された年少兵は、実戦とは縁遠いものだったろう。でも、ときに話が及ぶと、海軍精神を説く。「望郷」の念にも及ぶ。
古事記の久米歌に出てくる「うちてしやまん」は戦時中に昂揚され、米英撃滅に多様されたけれど、いいじゃないか、がんよ、撃ちてし止まん!その心もて手術に立ち会ってください。そう祈る。そう祈っていますよ。
そして9階の食堂から、日本で一番低い千葉県、その中でも一番低い柏市の野を眺めましょう。撃ちてし止まん!!