デーダラボッチはひとまたぎ
水のかれた逆井の弁天様から「ふるさと散歩道」のデーダラボッチコースをたどると、6キロ弱で広池学園近くのイボ弁天に着く。池の水はよどんでいるが、コイなどが泳いでいて、なんとなくホッとするムードがある。逆井の弁天様に足跡を残し、ここまでデーダラボッチはひとまたぎで来た足跡が、この池だというけれど、でっかいデーダラボッチとはだれのことやら。
京王線に代田という駅がある。この近くにダイダラボッチの足跡があるというので民俗学者の柳田国男がでかけ、地名のダイダは、確かに足跡に基づいたものだとしている。さらに、「人間以上の偉大なる事業をなしとげた者は必ず亦非凡なる体格を持っていたであろうという、きわめてあどけない推理法が1番の根源であったことはほぼ確かである」と、各地にある大男の昔話を分析している。
8世紀に官命でまとめられた各地の地誌である「風土記」に、すでに巨人伝説が伝えられている。怪力の大男を各地でダイダラボッチなどと似たような呼び方をしているが、要するに大太郎ということらしい。
水の豊かだった逆井の弁天様、そしてイボ取りの効能があるというイボ弁天、この地の、はるか昔の「先住者」の頭の中にも大男がいて、それを囲炉裏端で子供たちに伝えてきたのだろう。でも、イボ弁天様のすぐ裏は絶壁、その上は白井・流山の県道で、車がビュンビュン走っている。
デーダラさんは、うるさがっているのではないかな。