ふかく、この生を愛すべし

  おほてらの まろきはしらの つきかげを つちにふみつつ ものをこそおもへ

 三井記念美術館の平城遷都1300年記念「奈良の古寺と仏像」展を見てきた。「会津八一のうたにのせて」の副題がある。新潟で始まり東京を経て奈良に行くという。
 仏像40数点が並び、その間に八一の短歌や歌書、書が紹介される。これほどのまとめられた八一を見ることが出来るのはうれしいことである。
  
 学規がいい。しみじみと読ませてもらう。
 一 ふかくこの生を愛すべし
 一 かへりみて己を知るべし
 一 学芸を以って性を養うべし
 一 日々新面目あるべし
  深くこの生を愛すべし、か。人生は、この一行ですべてではなかろうか。

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