謹訳とコデック装
林望氏の「謹訳源氏物語」を娘が持ってきた。この祥伝社本は、コデックス装という、「どのページを開いても読みやすく、貴族の綴葉装を彷彿させる糸綴じ」とある。ページを開けば、そのままピッタリ開け、気持ちがいい。(コピーするとき、容易である。言わずもがな)
謹訳である。なだらかに源氏が読めるに違いない。訳本であるから原書に触れる必要はないが、ますます原書は遠ざかる。古典の味から遠くなることは確かである。短歌(和歌)の出るところでは、そのまま紹介し、現代日本語に謹訳してある。そこらへんで、せめて原書を味わえるか。
原文(原書)はどこへいくのか。学校の教材だけで、人は体験するだけとなる。林望謹訳には、何か秘密があるか確かめてみよう。