終電でひもどいた妹の句と

   初日記先づは歩数を記しけり
   盆梅の香り微かに夢に入る
   一山越え春の水辺を探しけり
   風渡る一里四方の麦の秋
   香水の微かな風とすれ違ふ
   穂芒の日暮れ風の意のままに
   しみじみと聞く蜩の無言館

   麦の秋が出てきたのでホッとする。二毛作は残っている。
   香水の風、これは町中か。ふと、違う乳房に逢いに行く真鍋呉夫さんを思い出す。

   同人8人、前ページに男性。俳諧の味が濃くなる。

   花三分酒も微酔がよかるべし
   牡丹咲く真中に虻の恋のあり
   麦の秋警察署をば刺しつづく
   神の留守仏も留守や盗み酒
   湯豆腐の身を震わせて触れ合いぬ
    久保万より、まだ見ぬ先行きがあります。