「が、ぎ、ぐ、げ、ご」という鼻音
二松学舎大学名誉教授の松本寧至さんのエッセイを読んでいたら、鼻音の話が出てきた。「が行」の「が、ぎ、ぐ、げ、ご」は鼻にかかった鼻音となるが、これが群馬県人にはなく、国文学の講師、教授になった群馬出身の松本さんを困らせたという。
「国文学概論」には「こくぶんがくがいろん」と言うと、「が」が二か所出てくる。これを鼻音で言えるよう努力されたらしい。松本さんは、このブログの筆者と旧制中学の同級生であったことを、最近教えられた。
鼻音に縁のないグンマ県人であることを筆者も納得していた。だが、いままでの人生で問題になったことはなかった。君の「が、ぎ、ぐ、げ、ご」はおかしいと言われたことはなかった。
言ってもらいたかった。友人にも縁がなかったのだろう。
いま町内を見渡すと、江戸っ子がいる。朗読グループで、いろいろ話している。それを聞いている。この秋は市の中央公民館で、八雲の「稲むらの火」を朗読する。適正な日本語を聞かせるのだろう。これを機会に「がぎぐげご」を教わることにしよう。