懐かしい石川忠久先生
1月に読売新聞の夕刊に、「書道八景」という連載企画が掲載された。その[4]に、NHK文化センター講座「漢詩をつくる」があり、講師の石川先生が講評をされている。78歳の先生の写真が出ている。お元気なのだった。
私の知っているのは、NHK第2放送の文化セミナー「漢詩をよむ」である。ラジオである。先生の声を聞くだけである。それが10年も20年も続いたような気がする。45分放送が30分になって続いた。そのテキストが山になっている。
中国語読みがあって、ああこれは漢詩なんだと気づかされた。
悵惆す故山の雲
徘徊空しく日夕
故郷の雲をながめ、嘆き悲しみ、
あてどなくさまよって月日は過ぎゆ
これは1990年前期の、王維の「白髪を歎ず」の一節。
なぜ覚えているかと言うと、ちゅうちょうす、という読み方からだった。
「白髪を歎ずる」思いで、テキストを引っ張り出した。
「徘徊空しく日夕」の生活である。