種を蒔き続ける
女優の渡辺美佐子が「被曝母子の手記朗読はずっと続ける」と言う。朝日夕刊の「人生の贈りもの」(23.12.16)。
地人会が解散したため、「この子たちの夏」が中止になったが、女優たちで作った「夏の雲は忘れない」の全国公演を続けた。
そして言う。「原爆朗読で、平和への願いの種は蒔けているのかもしれないと感じている」と。
千葉県柏市には、市と提携しあって活動している平和3団体がある。
原爆被爆者の会(柏和会=はくわかい)、被曝した母子の手記を朗読する「柏・麦わらぼうしの会」、戦地の体験を語る「平和の会」。
この3団体が、それぞれ学校公演をしている。柏和会、麦わらとも、それぞれ年間10校ほどに出向く。「種は蒔けているかもしれない」と言う以上に、種を蒔いている。筆者も手伝う。
手伝い始めた頃、被爆者に「どちらですか」と聞かれる。群馬ですと答える。被爆者はヒロシマ、ナガサキだけである。あれから10年がたつ。
3団体は種を蒔き続けている。