『東葛歳時記』発刊

観音寺の観音堂に、筆書きの21の献句が一年中展示されている。せめて春夏秋冬、季節ごとにかえたらいいのに、と思いながら、散歩途中に読み上げる。

永らへて観音堂に牡丹詠む
牡丹園巡りて風の甘きかな
牡丹にも美貌ありけり人の垣

すべて牡丹がらみ。日付が4月29日、つまり牡丹の花盛りの吟行の句なのだ。その牡丹献句が一年中咲き続けているわけである。

草の実俳句会、二十八ヶ所を吟行、成果まとめる

草の実俳句会という、電話番号もある。一昨年の16年4月29日の献句に、こういう二首。

いのち美し新緑に映ゆ歓喜仏
モンブラン・ケーキに似たり牡丹蕊

歓喜仏まで知っているのは地元のグループかもしれない。電話をかけることもなく過ぎた。
柏高島屋の本屋で、「東葛歳時記」という本を買った。それが草の実俳句会の力作だった。

超結社句会の草の実俳句会は、昨年で満15年になった。それを記念して編集した『東葛歳時記』だったのである。ここ数年のこの地域内を精力的に吟行したものをまとめたという。記載事項は、かなり徹底していて、微に入り細をうがつ。

関宿から始まって、鎌ヶ谷まで、二十八ヶ所の吟行地を紹介する。例えば逆井地区では、「観音寺・デイダラボッチ・かたくりの里」ということになり、観音堂のスケッチもあり、三十一句が添えられている。

4月29日の、牡丹の真っ盛りに和尚さんに観音堂を開いてもらい、吟行・句会をしているという。そのときの句が一年中添付されていることになる。

白牡丹ゆらりと風を躱しけり

東葛二十八ヶ所の故事来歴を教えられ、ゆらりと句を楽しむことができる。花マップや七福神、野菜などのミニ・ガイドもあり、安産祈願の女人講「待道大権現」も写真付きで掲載されている。

同会は毎月「会報・草の実」を発行しており、柏アミュゼで毎月第3日曜日に句会を開いている。問い合わせは藤本秀峰さん(04-7149-7927)。

前の記事

書の美しさ、楽しさ

次の記事

100人の朝ごはん