雪女に囲まれた眞鍋呉夫さん
前衛的俳句の加藤郁乎氏が亡くなったばかりなのに、今度は眞鍋呉夫さんの訃報が伝えられた。
眞鍋さんが、歴程賞・読売文学賞を受賞されて、平成5年6月に「眞鍋呉夫書展」が開かれたとき、出かけた。とっくに新聞社をやめていたからインタビューに行ったわけではなかった。
会場には、雪女(たぶんそうだったはずである)のグループがにぎやかで、つかまった眞鍋さんは、こちらの相手になるどころではない。
それでも司会者?が、雪男ではない私をあわれに思ったのか、眞鍋さんを引っ張り出して、とにかく『句集 雪女』に一句と私の名前をを書き込ませてくれた。
雷落ちし峯からSが降りてくる 天魚
『雪女』の序句はこうだ。
雪女見しより瘧(おこり)をさまらず
雪女グループは主を取り上げた私を見ていたが、別にオコリはおきなかった。
葱剥けば光陰ひそと光りすぎ
雪女はちよつと眇(すがめ)であつたといふ
花冷えのちがふ乳房に逢ひにゆく