落葉の行方
野沢会館の林の落葉は
観音寺の東の方まで運ばれていた
野沢町会の会館の脇には、武蔵野の自然なたたずまいを見せる林が広がる。ナラ、クヌギ、ソロなど。住宅が覗き込んでいるけれど、緑の空間は、落ち着きを見せている。
仲町側から入ると上り坂、森林浴の、いい気分になったところで、しいの木台に抜ける。散歩の禁止・許可の札は出ていないから、まずまず絶好の散歩コースになっている。
地主さんはいるはずで、林の管理は行われている。以前に、落ち葉は収集しないように、という掲示が出ていた。落葉は、堆肥として使用しているらしい。
その農家を尋ね当てたら、観音寺の東、弁財天います厳島神社の手前に出た。
野沢会館脇の林は、ほどよい光が差し込み、森林浴を楽しめる
堆肥・土へのこだわり
一町二反もある屋敷の真ん中を東西に道が走る。観音寺を出た葬列は、ここを通り墓地に行ったという。通称じゃんぼん通り。いまは左の薄暗い森の中に、その代替の道があり、抜ければ野仏に出くわす。約150メートル、ほぼ屋敷の東西の長さである。
屋敷の中に、いくつものビニールハウスがひしめいている。三反ほどあるそうだ。利用する土へのこだわりがある。野沢会館の林の落ち葉が集められ、それに利根川の堤防六キロほどの雑草を4トンダンプ百台で運びこむ。さらに藤心の田んぼの、膨大な稲わらを使用する。これをコンポストと混ぜ、三年間かけて土にする。
カブ、ホウレンソウ、コマツナなどが育ち、野菜苗の大規模な生産・販売を行う日暮園芸である。
高野槙のそばの住居は、120年ほど前の隠居所の建材が使われており、懐かしい昔の雰囲気がただよっている。