おはよう閻魔様
閻魔堂は閉まっていた。宗藤幸生和尚の法話に続き、般若心経を斉唱、境内にある第四十四番堂宇をお参りしてもまだ閉まっている。和尚さん、閻魔堂を開けてくださいよ。和尚さんが飛んできて、やっと三年ぶりのご対面が出来た。
ギョロリ、ごぶさたしています。
十王信仰の突出した有名裁判官。お手柔らかに。
仏事の法要は七日ごとにあり、残された者は死者への減罪を祈る。これを十王信仰といい、地獄を統治する10人の裁判官が死者を審理する。初七日には秦広王、14日は初江王、21は宋帝王、28日は五官王、そして35日にエンマさまの審理となる。恐ろしい顔つきだが、仏教では地蔵さまの化身である。
十王はあと五王がいるが、地獄行きか天国行きかは、突出して有名になっているエンマさまあたりで決まってしまうという。残された人たちのお祈りが聞き届けられるのだろう。
通夜、告別式、初七日と続き、簡略化されて、いきなり七七日の四十九日(泰山王)になるけれど、五七日の三十五日のエンマさまの法要は重要らしい。
エンマさまのところで決着がつかないときには、十王に三回を加えて十三仏信仰もある。
すでに秋の遍路隊は出発した。ついていかないと道に迷う。エンマさまと話し合う暇がない。また来ますといって、手を合わせるが、それは3年先。お互いにお元気で、と申し上げた、エンマさんはニヤリと笑っているに違いない。