俳句と絵のコラボレーション
句を読んでは絵を描き、絵を見ては句を詠む
高橋謙次郎氏へのオマージュ
季語に導かれ、俳句は壮大な心象風景を見せてくれる。そこに、画家が飛び込み、その句をキャンパスに写しとらえる。
柏の松葉町で句誌「冬草」を主宰する高橋謙次郎さんが3月1日、取手の病院で亡くなった。81歳。
謙次郎句と、鎌倉の絵画工房・丹庵(にあん)の、日本画家内藤範子さんとのコラボレーション展が開かれたのは、平成17年の2月、銀座の清月画廊だった。内藤さんは柏に住んだこともあり、俳句の師弟関係があったという。
同年12月には、市川市の謙次郎氏生家の「和洋菓子店・島村」でも再現されたが、句も絵も堂々と向かい合っていて、楽しい世界に入り込んだような気がした。高橋さんを偲び、そのときの俳句と絵のコラボレーションを思い出した。
ここに掲載した二句に内藤さんが絵を描いたものだが、内藤さんの絵に高橋さんが句を詠んだものも多い。
昨年の10月、高橋句の朗読と、器楽のコラボレーションが行われ、CDになっている。曲に挿入された句が幻想的に呼びかけてくる。
平成6年に「あとの月日」という句集を残されている。
まだ枯木ばかりの森よ病む妻に
「冬草」2月号には、「狂詩曲」15句を寄せている。
秋深きこと晩年はことさらに
さりげなき別れ落葉の狂詩曲
旅もまだ半ばしばしを十三夜