20世紀最大の発明の一つ、といわれるインスタントラーメンに縁のない生活を送ってきた。一、二度は試食したような気もするけれど、縁なき衆生だった。その発明者・安藤百福さんが亡くなった。いまさら試食もおかしいが、いくつか買っ […]

　　　ここは御国を何百里 　　　離れて遠き満州の 　　　赤い夕日に照らされて 　　　友は野末の石の下 　「戦友」の一番。御国には「おくに」とかながふってある。これを「みくに」と、森繁が歌ったと言うことで、ミクニ論争が起き […]

閻魔堂は閉まっていた。宗藤幸生和尚の法話に続き、般若心経を斉唱、境内にある第四十四番堂宇をお参りしてもまだ閉まっている。和尚さん、閻魔堂を開けてくださいよ。和尚さんが飛んできて、やっと三年ぶりのご対面が出来た。 ギョロリ […]

　中野重治が太宰治について、「死なぬ方よし」という短文を書いているのを見つけた。昭和50年10月『文章読本　太宰治』（河出書房新社） 　その中で、短編『満願』のことを言う。 　医者が禁欲を命じていて、それが解ける時のたの […]

　「パラオのアイライ飛行場から、占領されたサイパン飛行場を逆爆撃すべく早朝に、十九機の呑龍（どんりゅう＝新鋭爆撃機）が飛び立ち、無事帰還を耳をすませて夕刻まで待ったが、漸く戻ってきたのは二機だけだった、……」 　柏市には […]

　戦争中の中学生、農繁期には農家に泊まりこんでの勤労奉仕。囲炉裏に榾火（ほたび）がはじけ、やかんの湯が沸いている。梅干が出され、たくわんをいただく。 　視察に来た国語の老教師が、一茶の「おとろへや榾折りかねる膝頭」を教え […]

　ボランティア記者をしている「柏ウイメンズ・ライフ」のコラムに、東博の「特別展　一木にこめられた祈り　仏像」の後期に登場した滋賀・向源寺の国宝十一面観音菩薩立像の感想を書き始めたが、会津八一の歌があるかと思い、『自注鹿鳴 […]

夏ならば、空翠（くうすい）したたらんとす、という風情があるだろうが、ただ静寂な冬の根木内歴史公園。ここから出撃を繰り返した戦争があったとは思えない。兵どもの夢の跡。 15世紀後半、戦国の城を復元 千葉県下で台地上にある大 […]

　　上野の国立子ども図書館にときおり寄る。正式には、国立国会図書館国際子ども図書館という。18歳以上という資料室がある。濱田広介の童話全集（集英社）もある。その中の「むく鳥のゆめ」の１編のプリントが欲しかった。 　２ペー […]

　写真は町内の友人の見事な厚物咲である。成長調整剤を使わないので丈が伸びたというが、手入れが大変だっただろう。そこで、中山義秀が昭和13年に芥川賞を受賞した『厚物咲』を思い出し、八木義徳が言う「東北という風土の持つ暗く重 […]